上海で仕事をするなら現地採用と出向どちらが良い?

上海で働くなら出向がオススメjpg

僕が上海で会った日本人は100人位います。
その内、現地採用の人は10人いない程でほとんどの人は日本の会社からの出向でした。

今日は現地採用と出向のメリットとデメリットをお伝えします。

現地採用のメリット・デメリット

いきなりですが大きなデメリットが1つあります。
給料が安いです。
企業が社員を日本から上海に行かせる場合(=出向)、会社から社員にお願いする立場なので手当てが付くことが多いです。
その逆で元々(好きで)上海にいて、上海で働きたい人(=現地採用)は会社との立場が逆転して給料は安くなります。

上海が好きで必ず上海で働きたいという人は、まず上海に行ってしまって、そこから仕事を探すのはありです。
現地の会社に行くことで会社の雰囲気を肌で感じられます。
上海の地理を知った上で、働く地域を選べるのも良いかもしれません。
但し、給料面の差が大きいのが現状です。

出向のメリット・デメリット

出向のメリットは給料が良いことです。
理由は現地採用と逆なので割愛します。
上海に行ったことがない状態で、働く場所、住む場所が決められてしまう不安はあるかと思いますが、上海の中で日本企業が多いエリアは決まっています(古北や外灘等)。
またどの地域も発展しているので、よっぽどでない限りはそういった不安を抱く必要はありません。
むしろ、東京と同等いやそれ以上の迫力に驚くことの方が多いでしょう。

以上です。

できるだけ出向で上海で働ける企業を探すのが良いでしょう。

上海で働くなら新規開拓と運用どちらが良い?

上海で働くなら新規開拓を

仕事には大きく分けて2種類あります。
既にサービスがあってお客もいる、比較的安定した運用の仕事と、
全く新しい事業を始める新規開拓です。

上海にもどちらの仕事もあります。

上海で出会った日本人はどの方も積極的で野心のある方が多かったように思いますが、運用の仕事で日本から仕方なく来た、という方はいわゆる日本人らしい日本人だったように思います。
(僕も元々はそっちの人間です。)

僕の感想でしかありませんが、
せっかく上海に行くなら新規開拓をオススメします。

理由は単純で、力がつくからです。

上海に行くという事は、言葉が通じない、家族や友達と離れる、食生活が変わる、何かと不便な思いをします(そんな事が日常茶飯事)。
そうまでして行くんだから厳しい環境に身を置くのはどうでしょうか。

不安はすごくあります。人生で一番のストレスかもしれません。
でも成功した時に得るものは全てにおいて日本より大きいです。

「いらっしゃいませ」が言えない中国人を君ならどう教育する?イトーヨカドー中国進出ストーリー(成功編)

握手を求める中国人

今まで2回に渡ってイトーヨーカドーの中国進出ストーリーを開店準備編開店後に分けて紹介してきました。
開店前からずっと、1年以上も続く苦労。それは名誉会長が訪問した際に中国からの撤退を考えたほど。
今回は最終回で紹介するのは成功編です。

社員の態度が変わる。突然やってきた新聞記者

売上が思うように伸びず成都の1年目は12億円の赤字。
更に、ある時期、家電業界全体の値崩れが発生。
バイヤーは上司に「仕入れに失敗しました。値下げ販売をして1500万円の損がでます。」と話した。
値下げ販売をしなければもっと損が出る計算だった。
上司は「(仕入れに)チャレンジしての事だな。わかったやれ。値下げは俺の責任だ」と話した。
この時から中国人バイヤー達の意識が変わる。
今まで、良い時の手柄は自分のもの、悪い時は他人のせいにしていたバイヤーが「必ずこの失敗を取り返しましょう」と言った。
この頃からトライアンドエラーの効果も出始め、売上が伸び始めていた。

ある時、地元の新聞記者がやってきた。事件になるような事をした覚えはなかった。
事の発端はあるおばあちゃんからの投書だった。
イトーヨーカドーの女性従業員がおばあちゃんに毎日牛乳を届けているのだと言う。
1年前、そのおばあちゃんは週に1回しかお店に来れないので12本を纏めて買いたいと来店した。
女性従業員は賞味期限を気づかい「私が届けますよ」と言い、配達が1年間も続けられていた。
イトーヨーカドーでは従業員に対して「遠くの美人より近くのおばあちゃんを大事にしよう」と指導していた。
これは、買う金額が少なくても毎日来てくれる近所の人を大切にしようという意味だった。
女性従業員は文字通り”おばあちゃんを大事に”した。
結果、おばあちゃんは「人として素晴らしい行為。このような社員を養成した会社に心から感謝します」と新聞社に投書した。
取材に来た新聞記者は「こんな美談は珍しい」と興奮気味に話し、この事が新聞に掲載された。

信頼され売上増加。中国の法律をも変える。

トライアンドエラーの結果が確実に出てきていた。
それまで中国に無いもの、無い文化を取り入れたセールを数多く実施した。
中国人は夏でも冷たいものを飲まない。熱いお茶を飲む。
ある時、試しに冷たいジュース、アイスを販売した。従業員からは「絶対に売れない」と言われたが、今では冬でも売れる人気商品になった。
クリスマスの習慣が無かった中国に、クリスマス文化を広めたのもイトーヨーカドー。
大晦日はどの店も夕方閉店するのが常識(家で家族団欒するのが普通)だったが、イトーヨーカドーは営業し年越しセールを大成功させた。そしてこの事がきっかけで中国の法律が変えられた。正月の百貨店の営業が推奨されるようになった。
徐々に売上を伸ばしていくイトーヨーカドー。常にお客の事を考えたトライアンドエラーが行われていた。
中国人は性悪説の感覚を持っていて容易に他人を信用しない。逆に一度信用するとトコトン信用する面を持っている。
イトーヨーカドーは信頼され売上が急拡大していった。
人口が多い中国では売れる物は半端じゃなく売れた。布団だけで1,500万円も売れた日もある。
そして成都と北京の両店舗は日本のイトーヨーカドーのどの店舗よりも売上の高い店に成長していった。

中国で表彰される日本人。デモで攻撃されなかったイトーヨーカドー

2002年にSARSが発生。この時、中国で働く日本人はほとんどが日本に帰国した。
しかしイトーヨーカドーの日本人は帰らなかった。
「今ここで帰ったら、その後中国人はついてこなくなる。帰ってたまるか。」
SARSが猛威を奮い、他の百貨店がお店を閉める中、イトーヨーカドーは営業を続けた。店のマスクを国へ寄付もした。

2005年に発生した反日デモでは、店の1階と2階が襲われた。
翌日近所のお年寄りが「昨日は大変申し訳無かった。中国人全員がそう思っているのではなく若い人の一部だ。私はこの店が好きだ」と涙ながらに話した。
その後もデモは続いたがイトーヨーカドーは従業員が抑止に出るまでもなくお客が「イトーヨーカドーは私達に利便性を与えてくれるところだ」とデモ隊を説得していた。

2008年の5月に起こった四川地震。M7.9~8.0の直下型大地震。
倒壊家屋21万以上、損壊家屋は415万棟以上の大災害だった。
イトーヨーカドーはこの時も「物資の提供という社会責任がある」と社員を鼓舞し、唯一翌日から営業を再開した。
こうしてイトーヨーカドーは中国人にとって無くてはならない存在になっていった。
2008年12月。当時の中国総代表の三枝氏は中国全土で30人しか選ばれない「功績を上げた企業人」の最優秀者に外資系で唯一選出された。

振り返って

日本にいては到底知る由もない出来事ですが、僕は中国に来たことがキッカケとなりこの事をしりました。
イトーヨーカドーの苦労の末のサクセスストーリーにいつも勇気をもらっています。
前回も書きましたが、中国では何が起こるかわかりません。悪い意味でも、良い意味でも。
だから何かを始める時、常識的には無理だと思える事でも必ずやってみる事にしています。
その行動が思いがけない事に繋がります。